2017年05月15日

日銀が目標としている物価上昇率2%

一時はいいところまで行きましたが、
最近では金融緩和の効果もむなしく、
実現にはほど遠い状況が続いています。

黒田総裁を初め、日本でも指折りの頭脳が結集している日銀が、
なぜ目標を達成できないのでしょうか?

マクロ経済的な要因はもちろん色々ありますが、
私には日銀のプロモーション下手が目につきます。

日銀がプロモーションするというのは語弊があるかも知れませんが、
黒田総裁の記者会見などは日銀政策の認知を拡大し、
世の中にトレンドを作っていく大事なプロモーション活動の
一環であると私は考えています。

そのプロモーション活動のキーワードが、
「物価上昇率2%」
というのは、いかにもプロモーション下手に過ぎると思われます。

以下、やっちゃいけないプロモーション活動について、
日銀の例をとって説明いたします。

そもそも、
なぜ金融緩和策を打つ必要があったのでしょう?

そう訊かれれば、
誰もが「デフレから脱却するため」と、
答えることでしょう。

もっと分かりやすく言えば、
景気を良くして経済規模を大きくしていくためですよね。

つまりここが凄く大事なのですが、
1:現状景気が良くない
2:だから緩和策を打って景気を刺激する
というのが始まりなのです。

そう!
景気が良くない状態がスタートなのです!

景気が良くないのに、
「これから物価を2%上げようと思います」
と言われて、
「よーし!どんどんお金をつかうぞー!」
となる人がどのくらいいるでしょうか?

世界的にもあまりいないとは思いますが、
こと節約を美徳とする日本においては、
生活防衛意識を刺激するだけで、
消費意欲を刺激することは無いのではないでしょうか?

つまり日銀はプロモーションで設定する
キーワードを間違えているのです。

企業のプロモーション担当者だったら、
人事考課は最悪の評価となるでしょう。

言うまでもなく当たり前のことですが、
プロモーションを仕掛けるなら、
ターゲットとなる人々が思わず
「むむ!一理あるな!」と思ってしまうような
キーワードを設定しなくてはいけません。

景気が停滞している社会に暮らす人々をターゲットにして、
「はい!これから物価を上げますよ~」などと言えば
どんな反応をするか容易に想像がつきますよね?

では、
どんなキーワードを設定すれば良かったのでしょうか?

長くなりましたので、
次回の記事でそのあたりは触れることにしたいと思います。
(つづく)