2013年05月15日

さて、前回の続きです。

Aグループ:吉野家、スシロー、プロント(※)
Bグループ:サイゼリヤ、マクドナルド、ドミノピザ

という分類ですが、AとBで何が違うでしょうか?

そう!

Bグループは新聞記事の見出し通り「価格戦略」なのですが、
Aグループは「製品戦略」も含んだ「価格戦略」なのです。

吉野家は米国産牛肉の輸入規制が緩和されたことによって、
本来牛丼に適している牛肉を仕入れることが再度可能になり、
価格を下げるだけでなく、味も向上するのだと宣伝しています。

つまり、
製品の品質向上という「製品戦略」と、
値下げという「価格戦略」を同時に行うことで、
競争力の強化とインパクトの増大を目指しているのです。

これを受ける競合は、キャンペーンで価格を下げて対抗しましたが、
単なる価格戦略だけでの対抗となってしまい、吉野家のインパクト
には負けていたように映りました。

また、スシローについては189円メニューを値上げの一環としては
位置付けておらず、多少高くても美味しいものを食べたいという
消費者層の希望に応えるものであると言っています。

つまり、これも製品戦略を含めた価格戦略なのです。

集客への影響を考えて、従来通り105円メニューは継続しつつ、
高付加価値商品を望む消費者層を取り込むために、
189円メニューを展開する。

そんな、スシローの戦略や意図が読み取れます。

そう考えてみると、毎日何気なく読んでいる新聞記事の行間に存在する
各企業の戦略や意図が見えてきて、面白くなってきませんか?

もちろん、面白がっているだけではビジネスにつながりませんが、
面白さに気付いた時に「じゃあ、ウチの会社はこうしよう!」という
アイデアが湧いてくるのではないでしょうか。

ちなみに、前回少し触れたドミノピザの戦略については、
次回取り上げますので、お楽しみに!


【注釈】
5月13日付の読売新聞経済面の記事においては、
マクドナルドのハンバーガーの価格についてのみ言及していたため、
今回はマクドナルドをBグループに分類しました。
実際には、100円マックのカテゴリー全体を見直しているので、
製品戦略を伴っているとも言えます。
ただ、やはりハンバーガー単体で見ると100円→120円の価格改定
のみであり、価格戦略のみと位置付けても良いと弊社も考えました。

※プロントについての分類は、
 6月12日にBからAに訂正致しました。
(6月12日の訂正とお詫びを参照願います)